今回のテーマは歌うように弾くことの大切さです。
ここまで読み進めて来た人は、ある程度エレキギターが弾けるようになっているのではないでしょうか?
プロのギタリストのようには弾けなくても、コードを5つくらい覚えて、つなげるようになっている。
そのような状態で十分だと思います。
5つくらいのコードだけで成り立っている曲は世の中にたくさんあります。
たとえばビートルスの「Let it be」。
C、G、Am、F、Em、Dmだけです。
レット・イット・ビーと言えば世界で知らない人はいないくらいの名曲です。
その曲のコードはたった6つ。
驚きです。
歌詞も英語ですが、ビートルスの英語は非常に簡単で、発音もしっかりしているので、中学生でも十分に歌えます。
英語がわからなくてもいいから、歌を口ずさむみながらエレキギターを弾いてみる。
その際に気をつけなければいけない点があります。
これはコツみたいなもの。
以前紹介した、左手の握りのようなものです。
ギターを弾く時、慣れないうちは、ただ単調にコードを弾いてしまいます。
慣れていないから仕方のないことなのだけど、それではもったいないんです。
歌うように弾く。
歌を口ずさみながら、ギターでも歌うんです。
ギターで歌うって意味がわからないですよね(笑)
言葉ではなかなか説明がしずらいのですが。
まず、歌を口ずさむことに力を入れすぎて、さらにコードを押さえることに力を入れすぎている。
そうなると、つぎはぎだらけのギターの音になります。
ジャカジャカ、ジャカジャカ、ジャカジャカ、ジャカジャカ。
これでは歌がいくらうまくても、ギターのせいで下手に聴こえてしまいます。
せっかく歌うという表現があるのだから、ギターも伴奏であるという意識を一度捨てなければいけません。
ギターも歌に負けてはいけないのです。
ギターが歌の伴奏。
歌を邪魔しちゃいけないと思っていると、無意識にギターの音が小さくなります。
そして、段々と自信のない音になります。
私はずーっとギタリストをしていたので、歌をずっと支えようという意識でやってきました。でも今ではそれは間違った意識だと思っています。
ギターでしっかりと表現して、歌うようにしっかり弾いて、その結果、歌を支えていることになる。
そんな状態がベストなんです。
最初から、俺は伴奏だなんて思っていると、歌を支えられません。
歌のエネルギーに負けてしまうからです。
そして、歌は声を出せばとにかく歌えるので表現しやすい。
でもギターは、ジャカジャカ、ジャカジャカ、ジャカジャカ、ジャカジャカ。
弾く人の意識がしっかりしていないと単調になってしまうんです。
ジャンジャカ、ツカチャカ、チャカツカ、ジャカジャン。
言葉で言うと難しいんですが、このくらい変化をつけて、
表現をする。
それは歌が単調ではないからです。
歌の世界、歌のリズムに合わせて、ギターも変化をつけて表現する。
それがギターを歌わせる、ギターで歌っているように弾くということです。
そして、決して歌をメインに考えない。
歌があり、ギターがあり。
どちらも同じレベルです。
そう考えなければいけません。
そう考えると、プロのギタリストの音が違って聞こえるようになります。
CDでプロのギタリストの音を聴くと、歌に負けんとばかりにしっかり弾いています。
決して弱々しく弾いている人はいません。
弱く優しいフレーズでも、しっかりと弾いて、優しさを表現しています。
優しさを表現するのと、優しく弾くのは違います。
弱さを表現するのと、弱く弾くのは違います。
いつでも、しっかりと表現して、しっかりと音を出すことが必要なのです。
この文章で、ギターを歌わせるということがどのくらい伝わったでしょうか?
ギターを歌わせることについては、また次回以降も書きたいと思います。